空き家管理でシルバー雇用拡大を

増え続ける空き家が地域課題として深刻化する中、空き家を管理する知識の普及でシルバー人材の雇用拡大を目指す高齢者向け講座がこのほど、愛媛県愛南町御荘平城の町シルバー人材センターであり、約20人が点検の基礎知識やノウハウを学んだ。
(愛媛新聞 9月10日)

大都市圏でも空き家の増加は社会問題となっているが、過疎化が進む地方ではより深刻だ。子供が大都市に移り住み、地方に残された親の世代が亡くなると、地方には空き家が残る。売却しようにも、需要がほとんどなく容易に買い手が見つからない地域も少なくない。

こうしたとき、地域の人々が空き家の管理を代行してくれると都会に住む子供の世代としては好都合だ。同様に墓参り代行サービスの需要も高まっている。新型コロナウイルスの感染が長引き、なかなか終息に至らないことも需要を押し上げる要因だ。

一方、地方に住むシルバー人材としても、空き家や墓の管理は、密に人と接触する業務でもなく、重労働でもないため、コロナ禍にあっても働きやすい仕事だ。市町村の枠を越え、各地のシルバー人材センターが提携して、全国的にサービスを展開すれば、更なる需要の掘り起こしが可能になる。地域縦割りの慣例に拘らなければ、可能性は広がるはずだ。