コロナで失業手当手続き急増、那覇で6月以降
新型コロナウイルスの感染拡大が県内の雇用情勢の悪化を招き、失業手当を受給するためハローワーク那覇を利用する人が6月以降急増している。失業手当を受給するには新規求職登録が必要だが、6月の登録者数は3109人に上り、前年同月比で533人増えた。7月は集計中だが、担当者は前年の2869人を「大幅に上回る」と予想している。
(中略)
失業者を年代や職種で見ると、高齢者が多く、警備や施設管理の仕事や、タクシー、バスの運転手などが多いという。若年や中年者を見ると、ホテルのフロントや小売業、土産品の販売で失業者が多い。
(琉球新報 8月25日)
新型コロナウイルスの感染が長期化する中、全国的に雇用情勢が悪化している。特に、高齢者の非正規雇用は厳しい。沖縄では、観光業への依存が大きいだけに、観光客の減少による需要の落ち込みは、沖縄経済全体に影響を与え、失業者を吸収する産業が見当たらないという状況を生む。
しかし、感染症の流行によって、全ての需要が消失したわけではない。仕事が増えている職種もある。たとえば、失業したバスやタクシーの運転手が別のバス会社やタクシー会社で運転手という仕事を探すのは難しいが、需要が拡大している宅配業者では運転手を募集していたりする。重い荷物を運ぶのは高齢の運転手には厳しいかもしれないが、料理や食材など軽量な荷物の配送ならできるだろう。
新型コロナウイルスに有効なワクチンが普及し、定期的に接種できるようにならない限り、この感染症の終息は期待できない。高齢者も企業も、今まで従事してきた仕事の需要が回復するのを待つのではなく、新たな潜在需要の開拓に積極的に取り組むべきだ。