シニアが日本語を遠隔指導 ヘルテが神奈川県藤沢市で
オンラインコミュニケーション事業を手掛けるHelte(ヘルテ、千葉県柏市)は神奈川県と組み、地域の中高年がオンラインで外国人に日本語を指導する取り組みを同県藤沢市で始めると発表した。新型コロナウイルスの影響で外出機会が減っているシニアの孤立防止にも役立てる。
ヘルテが手掛けるコミュニケーションサービス「Sail(セイル)」を神奈川県がモデル事業に採択。パソコンやスマートフォンで日本語の上達を目指す外国人と会話し、語学力や文化への相互理解を深める。
(日本経済新聞神奈川版 8月12日)
海外に住む外国人が日本国内の日本人にオンラインで英語を教えるサービスは、よく目にする。今回ヘルテが始める取り組みは、これとは逆に、日本人がオンラインで外国人に日本語を教えるサービスだ。日本語を正しく効率的に教えるには、単に日本語が話せるだけでは不十分だが、適切な教材と指導要領が用意されれば、日本語教師の資格がなくても一定程度の質を維持することはできる。教員やセミナー講師の経験のあるシニアが担当するなら、提供される日本語教育の質はなおさら高い。自宅に籠もるシニアにとってもオンラインでつながる世界が拡がり、心が活性化されるだろう。
このようなオンラインのコミュニケーションによって、日本語を話せる外国人が増えるなら、逆に、一人暮らしの高齢者に外国から外国人がネット経由で様子を伺うというサービスも普及する可能性もある。現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で、外国人労働者が日本に入国することが難しい状況が続いているが、国を跨いで移動しなくても、海外の外国人と日本のシニアが相互に価値を提供し合うことはできそうだ。