高齢者が働きやすい職場に 経験生かしサービス向上

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が広がり、高齢者も働く場が狭められている。しかし、人手不足のなかでベテランが働きやすい職場づくりが喫緊の課題であるのは変わらない。2021年4月からは、70歳まで働けるように対応が求められる。コロナ禍が収束後に再び高齢者が活躍できるよう、職場の状況を見つめ直してみてはどうだろうか。
(日本経済新聞 5月7日)

高齢者を労災から守ることも高齢者が働きやすい職場の要件のひとつだが、働きやすくするには、安全以外の面でも努力が必要だ。

この記事では、建設会社が作業員が使う工具や保護具の材質を変更して軽量化した例やリゾートホテルが客室用の座椅子を軽量タイプに変更した例が紹介されている。

こうした、体力に自信がない人でも働ける環境作りは、高齢者や障害者、あるいは、女性にとって働きやすい職場の実現に欠かせない。

高齢になれば一定の体力低下はやむを得ないが、企業の工夫によって、業務の質や量を低下させないことは可能だ。

さらに、高齢者の業務の質や量を低下させず、長く働き続けてもらうことは、高齢者の経験を活かしたサービスを後継者に伝える機会を増やすことにもつながり、若い世代の業務の質や量を向上させることにもなる。

AIの場合は、大量のデータが学習の元になるが、人間の場合は、経験豊富な人と働く経験が学習の源泉だ。

高齢者が働きやすい職場は、企業全体の付加価値の向上に役立つ。