高齢労働者にガイドライン 厚生労働省 エイジフレンドリー補助金を新設

厚生労働省労働基準局安全衛生部は3月、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン/以下、ガイドライン)を公表した。これは、高年齢労働者の労働災害を防止するために、事業者と労働者に取組みが求められる事項を取りまとめたもの。これに伴い、エイジフレンドリー補助金を新設し、2020年度予算額は2億5121万1000円を計上した。
(高齢者住宅新聞 4月22日

「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」は、事業者にとっても高齢労働者にとっても必要だが、エイジフレンドリーというカタカナがどれほど世間に訴求力を持つかは疑問だ。そもそも、英語のエイジフレンドリー(age-friendly)は形容詞であり、この後に続く名詞を修飾する単語。つまり、エイジフレンドリー○○ガイドラインとするのが正しい。○○に何が入るかで意味が変わる。○○がないと何が高齢者に優しいのか分からない。

ネーミングはともかく、このガイドラインは、昨年末にまとめられた高齢労働者に優しい労働環境についての報告書に基づいて作成されている。内容は、事業者や高齢労働者に求められる取り組みと国や関係団体による支援だ。国による支援の目玉である補助金は予算全体の2億5千万円余りの内の1億5千万円と少ないが、対象には、通路の段差の解消、手すり等の設置という従来からの高齢者対策に加えて、パワーアシストスーツの導入などのハイテク機器の普及を支援する項目も含まれている。ロボット技術やITによって、高齢者がより安全に作業ができるようにすることは、高齢者の活躍の場を拡げる上で重要だ。事業者がこの補助金を有効に活用することを期待したい。