過疎高齢化進み、「スマート農業」に活路 牧の生産法人がGPS搭載農機具導入

科学技術の進歩とともに、農作業も変革の時代を迎えた。京都府福知山市牧の農業生産法人、株式会社味歩里(桐村正典社長)は、今年から情報通信などの最先端技術を活用したスマート農業に取り組む。すでにGPS(全地球測位システム)を搭載した農薬散布用ドローンと田植え機を購入しており、水稲や小麦栽培で利用する。ともに精度の高い農機具で、省力化だけでなく、一層の品質向上につながることを期待している。
(両丹日日新聞 3月9日)

ICTを活用した賢い農業である「スマート農業」は着実に実用化へ向かっている。特に、GPSを利用した自動操縦の機器が実用化されると省力化の効果は大きい。この記事によれば、ドローンによる農薬散布は手作業の50倍の効率だという。こうした機器の導入により、少ない人手でも農業ができるだけでなく、高齢者などの体力に制約がある人でも農作業を行うことができるようになる。スマート農業は、高齢者の雇用拡大にはプラスだ。

スマート農業で使われる技術は、農業以外の分野でも応用されている。車の自動運転はもとより、物流拠点での荷物の搬送や工場内の資材の移動にも使用されるようになってきた。こうした技術革新は、省力化によって雇用を減らす面もある一方で、今まで体力の制約から仕事に就けなかった人々に働く機会を提供するという側面もある。雇用機会の拡大にとっては、ポジティブな革新だ。