「70歳超えても働く」60代の54% 日経郵送世論調査
日本経済新聞社が2019年秋に実施した郵送世論調査によると、70歳以上まで働くつもりだと答えた人が60歳代の54%にのぼった。18年秋に実施した前回の調査に比べて9ポイント増えた。「人生100年時代」を迎え、高齢者を中心に就労意識が大きく変わっていることが浮き彫りになった。政府も企業も、高齢者が働き続けることができる制度づくりが迫られている。
(日本経済新聞 1月11日)
「70歳定年法」が、現在、開かれている通常国会に提出され、70歳まで働くことが普通の時代が訪れようとしている。国民の勤労意識もその時代の流れに沿って変化を続けており、70歳以上まで働く意思のある人が増えてきた。1年で9ポイントの増加は、増加率としては高い。顕著な増加といっていいだろう。
理由としては、経済面での不安がよく挙げられる。確かに、年金だけでは心もとないと感じる人は多い。ただ、一方で、高齢になってみると、若いときに想像していたよりも意外に元気だと感じていることも理由のひとつだ。平均寿命は延びているが健康寿命も延びている。60歳の人のほとんどは十分に仕事ができるほど元気だ。70歳以上まで働けると思っても不思議はない。そして、働けるものなら働きたいと思う人が多いのも日本人の特徴だ。この勤労意欲を高齢者の生活を支えるためだけでなく、社会全体の経済成長に結びつけることが、今後の日本にとって重要になる。