高齢者だってリクルート! 働く意欲高い秋田、労働力活用のモデルに

高齢化、年間人口減少とも全国1位の秋田県で、65歳以上の求職者数が過去5年で1・5倍、就職数も2倍と急増している。人手不足の売り手市場で若年層の求職が減り続けるのとは対照的に、高齢者向け合同企業説明会も盛んな秋田県。高齢者の労働力活用では日本のモデルケースにもなりそうだ。

県内では平成30年以降の有効求人倍率がほぼ1・5倍を超えるなど人手不足が深刻。新規求職者は30年までの5年間に、全体では2割以上減った半面、65歳以上の求職者は6457人と1・5倍、就職件数は1512人に倍増している。
(産経新聞地方版 12月17日)

全国で最も高齢化が進む秋田県で高齢の求職者が多いのは当然とも言えるが、実際に就職した数も2倍に増加していることは、高齢者の希望に合った求人も多いことを物語っている。これは、秋田の官民が行っている高齢者の雇用機会拡大への努力が一定の効果を上げていることの証左でもある。

秋田のハローワークでは、高齢者向けに合同企業説明会を開催する一方で、企業向けには高年齢者雇用管理セミナーを開いて、高齢者と企業の双方に雇用機会の拡大を働きかけてきた。こうした取り組みが双方のマッチングの成功につながり、就職数の増加をもたらしている。また、高齢者向けの無料の職業訓練が充実していることによって、今までの職種とは別の職種に就職する高齢者が多いのも雇用機会の拡大にはプラスだ。

こうした秋田の取り組みは、全国の他の地域にとっても参考になる。今後、ハローワークや自治体間のネットワークを通じて、ノウハウの共有を進めるべきだ。