「最高齢プログラマー」と呼ばれて ITの先端伝えたい
81歳でiPhoneのアプリを開発し「世界最高齢のプログラマー」と呼ばれた女性がいる。若宮正子さん(84)だ。「シニアにこそ情報技術(IT)を使ってほしい」という思いから、国内外での講演や本の執筆など活動の幅を広げ、自らをITエバンジェリスト(伝道師)と称する。
(中略)
最先端のIT事情を貪欲に吸収する若宮さんだが、初めてパソコンを手にしたのは1990年代前半。勤めていた銀行の定年が近づいた58歳の時だった。
(日本経済新聞 11月11日)
ITは人が関わることのできる世界を拡げる。高齢者の場合も例外ではない。むしろ、物理的に外出する機会が減っている高齢者であれば、ITによって外とつながることの価値はなおさら大きい。ただ、高齢者にとってITの操作はハードルが高いことも少なくなかった。いわゆるデジタルデバイドと言われるITを使える人々と使えない人々との分断は、今なお社会問題のひとつだ。
高齢者のITの利用促進には、この記事で紹介されている84歳の若宮さんのようにIT
を駆使している方が社会で広く紹介されることは重要だ。一方、ITを提供する側も、高齢者が使いやすいITの開発になおいっそう努力する必要がある。音声認識技術の進歩によって、音声で操作するソフトやIT機器が増えてきた。加えて、AIの進歩により、人と会話しながら、人の意図を詳細に理解する技術も登場している。これらの技術革新により、より多くの高齢者がITの恩恵を受けられる社会が実現し、デジタルデバイドという言葉が死語になる日が来ることを期待したい。