都中小公社、シニアの起業応援 ビジネスコンテスト初開催

東京都中小企業振興公社は、シニア向けのビジネスコンテストを開催する。シニア層を対象としたものは今回が初めての開催となる。人生100年時代を迎え、高齢者の働き方や人生設計が重要視される中で、シニア世代の起業を後押しする狙いだ。

55歳以上の人を対象に、ビジネス計画を募集して審査する。31日からエントリーを受け付け、2020年3月15日に東京国際フォーラム(東京・千代田)で最終審査を開く。ファイナリストに選ばれた10人には起業の支援資金として審査後、100万円を交付する。(日本経済新聞 8月16日)

高齢者が働く機会を増やすには、企業の雇用を拡大することも重要だが、起業によって高齢者自らが雇用を生み出すこともまた意義がある。高齢の起業家が創造する雇用は、量としてはそれほど多くはないが、高齢者が培ってきた知識やノウハウを付加価値に変えるという意味では社会への貢献は大きく、雇用の質は高い。

また、起業の成功率も高齢者の方が高い傾向がある。高齢者の方が、より慎重に事業企画を検討した上で起業に踏み切るため、ハイリスクの事業に手を出さないという面もあるが、今まで蓄積してきた人脈を活かせるというのも成功要因のひとつだ。勤務してきた企業の看板あっての人脈だけだと退職後に協力者を得るのは厳しいが、本人の能力と人間力を評価してくれる人とのつながりは、起業後も事業の助けとなる。起業を目指すなら、退職前から企業の名刺に頼らず、人間力を磨くことが大切だ。