70代も働くバーガー店 若者減で高齢雇用
パート・アルバイト募集、15歳から75歳まで--。函館市を中心に十数店を展開し、観光スポットとして外国人旅行者も多く訪れるハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」は、高齢者雇用に積極的に取り組む。70代の男女が働く店も珍しくない。
7月の平日の午後、繁華街から離れた同市人見町の「人見店」は地元客でにぎわっていた。店員の平均年齢は61歳。和やかな雰囲気だ。「この年齢で仕事があることが幸せ。限界まで働きたい」。パートで店舗責任者の安藤純子さん(70)は勤続21年。1日6時間の勤務で週6日、店に立つ。
(毎日新聞北海道版 8月8日)
ハンバーガーチェーンでは、高齢の店員は珍しくなくなってきた。大都市圏では、モスバーガーが大量の高齢者を雇用して組織した「モスジーバー」の活躍が話題になった時期があったが、その後、他のチェーンも追随し、高齢者がハンバーガーを渡してくれるのは普通の光景となった。そして今、その流れは、地方のハンバーガーチェーンにも波及している。
むしろ、地方の風景の中では、高齢者が働くハンバーガーショップは自然に見える。昔ながらのアーケード街や観光地には、高齢の店主が個人経営をしている飲食店や小売店も多く、店員も高齢であることは珍しくない。したがって、ハンバーガーを売る店に高齢の店員がいても違和感はない。
元々、こうした街には、高齢者の働きやすさを高める工夫やノウハウが地域社会全体に共有されてきた。地域社会で培われてきたこうした知恵を全国規模のチェーン店が学べば、大都市も含めて全国に高齢者の活躍の場が拡がることになる。全国展開のハンバーガーチェーンが地方に学ぶべきことも多い。