日本は「ものすごい潜在力ある」とウーバーCEO-採用強化や高齢者活用へ

米配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズの最高経営責任者(CEO)は、日本での事業拡大に意欲的だ。今後1年で社員の採用を強化し、成長余地が大きいとみる料理や飲み物の配達サービス事業では高齢者層を積極的に活用する青写真も描く。

(中略)

今後は「配達パートナー」を増やすため、少子高齢化が進む日本で高齢者層を採用し、健康維持も兼ねて徒歩で配達してもらうアイデアも披露した。(Bloomberg 7月5日)

タクシーの配車サービスでは、世界で大きなシェアを持つUber(ウーバー)。日本市場でも成長を続けている。さらに、中国企業の滴滴出行(ディディチューシン)もソフトバンクと合弁企業を設立して日本市場に参入し、大阪・京都ではDeNAの配車サービスMOVが営業を開始して、日米中のベンダーによる日本を舞台とした激しい競争が始まった。

そんな中、ウーバーが日本でのビジネスチャンスとして期待しているのが、食べ物を配達するサービスであるウーバーイーツだ。日本では、タクシー業界の規制が厳しいが、配達サービスの規制は緩い。その分、企業は自由にビジネスモデルを構築できる。既に競争が激しい配車サービスに比べて、未開拓の潜在的な需要も大きい。

一方、配達サービスの問題は配達要員の確保だ。この点、ウーバーは配達要員として高齢者を取り込もうとしている。既に、一部の宅配業者は、各地域の高齢者団体と提携して、配達業務の委託を始めているが、これにウーバーイーツのような食べ物の配達が加われば、大きな雇用を生み出す可能性がある。高齢者にとっても、健康に良いだけでなく、時間と場所を選ぶことのできる自由度の高い働きやすい職場だ。高齢者の典型的な職場の一つとして、今後、認知が進んでいくことだろう。