介護施設の高齢者が“仕事” 費用負担軽減や生きがいに 奈良で試験導入
介護施設に入居している高齢者に裁縫や製品加工といった“仕事”をしてもらうユニークな取り組みが、奈良県内の事業所で試験的に始まった。介護費用負担の軽減や生きがいの創出が狙いで、事業者は「高齢者の新しい生き方に」と意気込む。
(中略)
この取り組みでは、施設運営会社「リールステージ」(奈良市)の関連企業「あをに工房」が外部から作業を受託し、希望する入居者に割り当てる。パッチワークや水耕栽培などさまざまな軽作業を受託する方針で、最終的にはAI(人工知能)などを活用し、各入居者に最適な作業を提案していく構想もある。(毎日新聞 4月26日)
高齢のスタッフが介護施設で働く姿は珍しいことではなくなったが、介護されている入居者が働くのはユニークな試みだ。確かに、要介護の高齢者でも働ける仕事はある。「パッチワークや水耕栽培などさまざまな軽作業」ができる入居者はいるし、体ではなく、頭を使う仕事ができる高齢者も少なくないだろう。
今の時代、パソコンとインターネットがあれば、たとえ足腰が弱くてもできる仕事は多い。パソコンを仕事で使った経験のある団塊の世代が、本格的に介護が必要な年齢になれば、介護施設での仕事は、軽作業よりもネットを介した作業に移っていくのかもしれない。そのような時代になれば、ネット上のAIが、全国、あるいは、全世界の高齢者に最適な仕事を提案することも夢ではなくなる。介護施設に入居しても生涯現役でいることが可能な時代の到来だ。