2040年の世帯、75歳以上が4分の1 単身500万人超
国立社会保障・人口問題研究所は19日、2040年までの世帯数の将来推計を公表した。40年には世帯主が75歳以上の世帯が1217万と、全体の4分の1を占める。一人暮らしは全体で1994万人と全世帯の約4割となり、75歳以上の一人暮らしも500万人を超える。高齢の「お一人様」の存在感が高まることで、社会保障や生活インフラは大きな変化を迫られる。
(日本経済新聞 4月20日)夫婦と子供二人が標準的な家族構成であった時代は、既に遠い過去のものとなった。今後も、若年層の未婚率は上昇し、高齢者の一人暮らしもさらに増える。2040年に全世帯の4割が一人暮らしとなる予想だが、その割合は、その後も増加を続け、そう遠くない将来、5割を超すだろう。
単身者の増加に伴い、日本社会は大きな変革を余儀なくされる。消費者向けサービスは核家族向けのサービスから単身者向けのサービスにシフトせざるを得ない。特に、家族が担える役割が縮小していく中、高齢者の一人暮らしを支えるサービスの社会的需要は高まっていく。2040年には、介護もAI、話し相手もAIという時代になっているかもしれないが、それでも、人によるサービスの需要はなくならない。心のケアには、人とのコミュニケーションは欠かせないものであり、AIでは無理がある。現在、健康な高齢者が介護や支援が必要な高齢者を支えるケースが増えてきているが、健康な高齢者が果たす役割は、今後とも、ますます重要になるだろう。