人材確保はシニアと子育て世代で 岡山、出店相次ぐ流通各社
人手不足が深刻化する中、岡山市内で今夏にかけて商業施設、スーパーの開業を控えた流通各社は、就労意欲のある高齢者や子育て中の主婦らをターゲットに採用活動を活発化させている。
(中略)
お菓子やパン、乳製品の売り場に山積みされた商品を、パートの主婦らが手際よく並べていく。昨年12月にオープンした複合商業施設「ICOTNICOT(イコットニコット)」(岡山市北区駅前町)内に入居する天満屋ハピーズ岡山駅前店。午前10時の開店に間に合うよう、50~60代の男女4人が連携プレーで商品を陳列、補充する。4人の勤務時間は、午前7時から開店までの3時間。同店を運営する天満屋ストア(同岡町)が、初の試みとして導入した早朝の「ショートタイム」制度だ。仕事は品出しに特化。募集にあたり、時給もレギュラーの時間帯より1.3倍に設定した。想定していたのは、時間に融通が利くシニア世代だ。
(山陽新聞 4月1日)
繁忙な時間帯だけの短時間勤務にはシニアが適している。主婦のパートでも短時間勤務への対応は可能だが、早朝となると家族のいる主婦を集めるのは難しい。若者は早朝の仕事をすることはできても、一日3時間の仕事だけでは生活ができない。学生アルバイトは短時間でも働くが、早朝よりも夕方以降の時間帯を好む。
一方、時間の自由度の高いシニアにとっては、健康であれば早朝の仕事はさほど苦にならない。3時間の短時間勤務というのも、むしろ、無理せず働ける時間と感じて歓迎するむきも多いだろう。収入が少なくても、それだけで生計を立てようとしてないなら、それほど問題ではない。もともとパートやアルバイトの多い流通業では、今後、人材確保のために、業務を細分化した短時間勤務が、さらに一般的となる。こうした流れの中で、シニアが活躍する場も拡大していくだろう。