IT人材に高齢化の波 JUASまとめ、「40代以上」過半数超え

増員ながらも進むIT人材の高齢化―。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)がまとめた「企業IT動向調査」によると、IT部門の増員傾向を示す値は2018年度が過去10年間で最大だった。IT要員が「増加」と回答した割合から「減少」と回答した割合を差し引いた「DI値」による比較で、18年度は前年度比3.3ポイント増の12.7ポイントだった。年齢構成は40代以上がIT部門の中心となる企業が半数を超えるなど、高齢化の影響が一段と鮮明となった。
(日刊工業新聞 3月20日)

大企業のIT部門の人員は増加傾向が続いている。IT投資の活発化に伴う需要の増加が主な原因ではあるが、ITシステムによるソリューションがより経営課題と密接にリンクし、IT部門にITと経営の橋渡しをする機能が求められていることも影響している。量の増大だけでなく、質の高度化も要求されているのが、今のIT部門だ。

この点、役職定年になったり、定年後に再雇用されたりした高齢の従業員の活躍の場が増えているとも言える。現場でITシステムの開発とメインテナンスを担当する情報子会社と経営を担う経営幹部との間に立ってIT投資の全体最適化を図るには、長年、事業部門や管理部門、あるいは、IT部門で経験を積んできた高齢の従業員の見識が役に立つ。そう考えれば、IT部門の高齢化は、それほど悪いことでもない。むしろ、自然な流れだ。