今年65歳の首相、「まだ働く意欲満々」
安倍晋三首相は13日の参院予算委員会で、高齢者雇用に関する質問に「私も今年65歳となるが、まだ働きたいという意欲は満々だ」と応じた。働く意欲のある高齢者の採用を企業に促すよう求めた質問にこう切り返し、自らも気力に衰えがないことを強調した。
(日本経済新聞 3月13日)
政治家や企業経営者が65歳を過ぎても働く意欲満々なのは珍しくない。これを老害と見るか高齢者活躍の象徴と見るかは意見が分かれるところかもしれないが、健康寿命が伸び、高齢者の雇用が拡大していくとともに、肯定的に見る向きが多くなっていくだろう。
明治の元勲、大隈重信は、まだ平均寿命が短い時代にあって、人生125年説を唱えた。大隈重信が内閣総辞職をして首相を辞め、政界から引退したのは78歳のときであったが、その後もこの世を去るまで、精力的に社会活動を続けた。大隈重信の葬儀には、30万人が集まったと伝えられているが、その人気は、政治家というより、社会活動家としての評価が高かったからだ。
125歳まで生きるのは、現代の医学をもってしても難しい。しかし、65歳を過ぎても社会で活躍することは、健康の面では難しくない時代だ。政治家や経営者という地位にこだわるのではなく、社会への貢献を続けることを目的とすれば、65歳を過ぎても活躍できる場は自ずと広がる。