福井県、介護補助の高齢者募る
高齢者らが介護施設で短時間働く県の事業「ちょこっと就労」が、3月で2年目を終える。就労者は初年度に比べて増えたものの、施設側が希望する人数には達しておらず、県はさらなる申し込みを呼びかけている。
ちょこっと就労では、元気な高齢者らが1日2~4時間程度、食事の配膳やシーツの交換など職員の補助的な業務を担う。介護人材が不足する中、職員の負担を軽減し、本来の業務に専念してもらう狙いだ。昨夏から3人を雇用する介護老人保健施設「坂井ケアセンター」(坂井市)の担当者は「洗髪や洗濯物の整理をお願いしており、職員からは助かるとの声が上がっている」と話す。県長寿福祉課によると、初年度の2017年度は14施設51人の募集に対し、7施設で31人が就労。18年度は49施設132人の募集に対し、23施設で47人が従事した。
(中日新聞 3月1日)
介護施設における人手不足は深刻だが、介護が必要な高齢者を元気な高齢者が支えることで、介護サービスの質と量を維持することができる。ただし、元気とはいえ、高齢者に働いてもらうためには、業務の内容や時間に工夫が必要だ。その点、福井県が推進する「ちょこっと就労」では、就業時間を2~4時間程度に短くして、高齢者でも参加しやすくしていることが功を奏している。
さらに、介護施設が業務の単位を細分化し、そのひとコマの業務の内容、時間、報酬を明確にすれば、就労する高齢者にとっては便利だ。たとえば、「ちょこっと」の仕事では物足りないという高齢者は、2時間の仕事と4時間の仕事を組み合わせて、1日6時間働くことも可能になる。求人側がより多様な選択肢を提示できれば、より多くの高齢者を集めることができるだろう。