自営業者、進む高齢化 65歳以上が4割
国内で自営業者の高齢化が進んでいる。総務省の労働力調査によると年齢別で増加が目立つのは65歳以上で、2018年は17年比2%増の213万人。自営業者全体に占める割合は39.8%となった。自営業者には定年がないほか、定年退職後に事業を起こす人が出ていることも背景にある。
(日本経済新聞 2月26日)
高齢化が進むにつれ、自営業者の中でも高齢者が占める割合が大きくなるのは当然だが、65歳以上の自営業者の増加率は自然増を上回る勢いだ。65歳までは今までの職場で働き続けることができる時代ではあるが、65歳を過ぎても働きたいと思ったとき、自営業という選択肢を思い浮かべる人も多いのだろう。
自営業は、自分の裁量で仕事と働き方を選べる点で、もともと高齢者向きと言える。大きな成長を求めないなら事業リスクを抑えることも可能だ。事業の内容も、検察官や裁判官が弁護士として法律事務所を開設したり、税務署員が税理士事務所を開設したりという、資格を活用した事業だけでなく、今まで培ってきたノウハウや人脈を活用して業務委託を請け負う事業が多様な分野で拡大している。今後、ネットによる業務委託のマッチングサービスが普及すれば、ますます、高齢者による自営業の立ち上げが増えるだろう。