公務員、60歳から賃金7割 定年延長で法案

国家公務員の定年を60歳から65歳に延長するための関連法案の概要が判明した。60歳以上の給与水準を60歳前の7割程度とする。60歳未満の公務員の賃金カーブも抑制する方針を盛り込む。希望すれば65歳まで働ける再任用制度は原則廃止する。総人件費を抑えながら人手不足を和らげる。政府は民間企業の定年延長の促進や給与水準の底上げにつなげる考えだ。
政府は国家公務員法や給与法の改正案などの関連法案を年内にも提出することを目指す。2021年4月に施行し、定年を段階的に引き上げる方針だ。
(日本経済新聞 1月9日)

民間企業に定年延長を求めている国としては、国家公務員の定年延長は避けて通れない。50代半ばで退職して民間に天下りするというかつての公務員のキャリアパスは、今はもう過去のものだ。早期退職をして民間に相応のポストを得られる公務員は限られている。結果、多くの公務員は、60歳を超えても官庁で働くことになる。

定年延長となると、60歳になったからといって大きく給与水準を引き下げることは不合理だ。賃金を7割とするのは、大企業の平均を参考にした結果だと思われるが、大企業の多くは定年延長ではなく、再雇用を行っている。再雇用ではなく、定年延長で給与水準を7割に削減することが合理的か否かは、今後議論になるだろう。基本給の削減を小さくして、短時間勤務や役職離任などによって年収レベルで削減することも選択肢として考えられる。