「シニア食堂」で支え合い おひとりさま集い朝ご飯
「おひとりさま」の高齢者が集まり、一緒に朝ご飯を作って食べる食堂がある。独身や死別、離婚といった事情でパートナーがいない高齢者が増える中、千葉県流山市のNPO法人が支え合いで孤食化を防ごうと、2017年春から始めた「シニア食堂」だ。口コミや交流サイト(SNS)で人気が広がり、スタッフは「各地で食堂を開きたい」と話す。
(中略)
シニア食堂は17年4月、流山市の補助金を受けてNPO法人「東葛地区婚活支援ネットワーク」が始め、月1回開く。きっかけは事業の一つの無料結婚相談所で、支え合う相手はほしくても、結婚までは望まない単身高齢者の問い合わせが大半だったことだ。
(日本経済新聞 12月28日)
定年退職をした後は、「仕事での人間関係が希薄になる分、地域社会のとの絆を深めるべきだ。」とよく言われる。しかし、現実には、退職して時間ができたからといって、地域社会と急に関係を構築することは難しい。特定の趣味があれば別だが、特段、趣味もなければ、地域社会の人々と触れ合う機会は限られる。
その点、一緒に食事を作ってみんなで食べるシニア食堂は、格好のコミュニケーションの場を提供している。食べることは誰しも行うことだし、料理も朝食であれば簡単だ。参加するハードルは低い。
こうして人が集まれば、そこで互いに助け合い、さらには、参加できない人への手助けも出来るようになるだろう。新たなボランティア活動やスモールビジネスが生まれる可能性もある。まずは、シニア食堂のように、誰でも参加できるコミュニティーを地域に作ることが大切だ。