すかいらーく、バイト75歳まで 経験を持つ高齢者を活用

外食大手のすかいらーくホールディングスが、パートやアルバイトの雇用年齢の上限を現在の70歳から75歳まで延長することが20日、分かった。接客や調理などの経験を持つ高齢者を活用し、優秀な人材を確保する狙い。
対象はファミリーレストランの「ガスト」など国内の店舗で働く従業員。来年1月以降、希望すれば75歳まで働くことが可能となる。給与は変わらない。正社員の定年は現在の65歳で変更しない。現在、高齢者のアルバイトなどでは70歳を超えても働きたいという要望も多いという。外食産業では、人手不足が深刻化する中、高齢者の雇用延長や再雇用などの動きが広がっている。
(東京新聞 12月20日)

政府は70歳まで働く社会の実現を目指しているが、アルバイトではあるものの、すかいらーくは75歳まで働けるよう、制度を変える。そもそも、本人が70歳を超えても働くことを希望し、店もそれを望んでいるのに、会社が制度で禁止するのは不合理だ。

一般に、個人経営の飲食店では、高齢の店員や店主がいることは珍しくない。そこでは、店と客の関係は、長い時間の中で営々と築かれ、飲食というサービスの需給関係を介して、店主・店員と客との人間関係に深まっている。客は、食べに来ると同時に、店の人に会いに来るものだ。

今まで、ファミリーレストランは、画一的なメニューや接客によるローコスト経営で成長していきた。しかし、その成長モデルは限界にきている。ファミリーレストランもまた、店と客との人間関係の強さと暖かさを育てる努力が必要だ。その点、年齢に関係なく高齢者も店で働いてもらうことは、客との絆を深める上で役に立つ。