都市部で急増「ひとり暮らしシニア」

ひとり暮らしのシニアが都市部で急増している。国勢調査を分析すると、2000年から15年間で単身高齢者が2倍以上増えた自治体は首都圏、近畿圏、中京圏に集中している。単身高齢者が最も多かったのは大阪市の20万1千人だった。横浜市、名古屋市、札幌市も10万人を超える。
(日本経済新聞 11月26日)

かつて地方から大都市圏に若者が集まり、地方には高齢者が残って、単身高齢者も増えていた。今や、大都市に来た若者たちも高齢者となり、さらに単身となっている。大都市圏の単身高齢者の増加率が高いのはそのためだ。特に70年代から80年代にかけて、人口が急増したときに開発された大都市郊外の住宅地で、高齢化が顕著になっている。

どの地域にとっても高齢化は避けて通れない社会問題だが、その高齢化のスピードが早すぎると対応が遅れて問題がさらに深刻化する。若年層の人手が不足している中、大都市圏の単身高齢者の増加に対処するには、高齢者同士が支え合う社会的な仕組みが必要だろう。単身高齢者の中にも健康なアクティブ・シニアは多い。官民が協力して、高齢者同士の互助を促進する場を拡大するべきだ。それが、高齢者に収入をもたらす職場であれば、より効果的になる。