66歳以上でも働ける企業4分の1を上回る 厚労省
高齢者の雇用拡大を政府が検討する中、66歳以上でも働ける企業が全体の4分の1を上回ったことが厚生労働省の調査でわかりました。少子高齢化が進み、政府が高齢者雇用の拡大を検討する中、厚生労働省は全国約15万の企業を対象に、ことし6月時点での高齢者の雇用状況を調査しました。
(中略)
調査結果によりますと、これを超えて66歳以上でも働ける制度のある企業は27.6%と、全体の4分の1を上回りました。定年の年齢を66歳以上にしている企業が2%あったほか、定年制を廃止した企業も2.6%あったということです。大企業よりも中小企業のほうがより積極的に高齢者を雇用しているということで、厚生労働省は中小企業での人手不足が深刻になっていることなどがうかがえるとしています。
(NHK 11月16日)
66歳以上でも働ける制度のある企業は26.7%と確かに4分の1を超えているが、同じ調査の中で、70歳以上でも働ける制度のある企業でも25.8%となっており、4分の1を超えている。このことから、66歳以上でも働ける企業の多くは、70歳以上でも働ける制度を導入していることが分かる。これらの企業は、そもそも、年齢によって退職を促すという人事制度を取っていないことが多い。
一方で、定年延長や定年廃止はそれほど増加していない。65歳定年の企業が少しずつ増えてはいるが、多くの企業は、なお60歳定年のままで、その後は再雇用をしている。この調査でも、65歳定年の企業は16.1%で0.8ポイント増に過ぎず、定年を廃止している企業は2.6%で変動はない。
つまり、再雇用で働ける年齢の制限を無くし、年齢にかかわらず雇用を継続する制度を導入する企業が増加しているのが最近の傾向だ。ただ、再雇用の雇用条件は、人手不足を背景に向上している。今後、定年前と再雇用後の処遇の差が小さくなってくれば、定年延長や定年廃止が増加してくることになるだろう。