70歳まで就業、年金33万円 厚労省、繰り下げ受給で初試算
厚生労働省は2日、社会保障審議会年金部会を開き、高齢者の就労の多様化と、それに合わせた年金制度の在り方について議論した。60歳以降も働き続けた場合に受給できる厚生年金額を、複数のケースを用いて初めて提示。例えば70歳で退職して年金をもらい始めた場合、月約33万円(夫婦世帯)と試算した。現在の年金制度の基本となっている60歳退職、65歳受給開始では約22万円で、約1・5倍。
(京都新聞 11月2日)
70歳まで働き、70歳から年金をもらい始めれば、多くの年金を手にすることができることは、誰しも理解している。ただ、その理解は漠然としていることが多く、目の前に見えているお金を早く貰いたいと思う人も多い。実際、今のところ、繰り下げ受給を選択する人は、それほど多くない。今回、厚生労働省が70歳まで年金受給を繰り下げれば月33万円という具体的な年金額を提示したのは、理解を助ける上で役に立つ。
これからの課題は、70歳まで働くとして、月33万円以上の収入を得ることのできる仕事をどれほど供給できるかということだろう。仮に、65歳から70歳まで働けるとしても、その収入が月20万円ほどなら、月22万円の年金を貰った方がいいと考える人は少なくない。高齢者の生産性を上げ、賃金を上げる努力が必要だ。