中小企業の65.1%が人手不足、高齢者の採用拡大 商工中金調査

商工中金の調査によると、中小企業の65.1%で人手不足となっており、過半数の企業で人手不足により悪影響が出ていることが分かった。
(中略)
人手不足への対応で最も多かった対策は、「従業員の能力向上」が46.0%。以下、「職場環境の改善」(35.1%)、「賃上げ等雇用条件の改善」(31.8%)、「高齢者の採用拡大」(29.7%)、「外注の拡大」(27.5%)、「業務プロセスの効率化」(27.2%)、「定着率向上」(25.0%)、「省力・省人化」(22.9%)、「従業員の兼任化」(18.4%)、「女性の採用拡大」(17.8%)、「定年延長・廃止」(17.8%)、「外国人の採用拡大」(11.8%)、「パート・非正規の正社員化」(10.1%)などとなっている。
(財経新聞 11月2日)

中小企業の人手不足対策の4番目に「高齢者の採用拡大」が挙げられており、その割合は29.7%と比較的高い。人手不足に悩む中小企業の3割程度が高齢者の採用を拡大していることになる。11.8%に過ぎない「外国人の採用拡大」と比べれば、今のところ、より現実的な解となっているようだ。

しかし、その高齢者の採用拡大もそれほど思うように進んでいないため、人手不足から脱却できないでいるのも現実だ。高齢者の採用を望む企業と働く場を求める高齢者のとのマッチングをより効果的に行う施策が社会的に求められている。

また、全体としては、それほど多くない「外国人の採用拡大」だが、製造業では、21.1%と高くなっている。これは、製造現場では、接客の機会は少ないが体力は必要とされるなど、外国人に有利な職場環境があることも一因だ。外国人の受け入れは緩和の方向ではあるが、技術革新によって製造現場の省力化が進展すれば、体力に自信のない高齢者でも雇用の機会は増えるだろう。こうしたイノベーションの振興も、人手不足解消へ向けた大きなテーマのひとつだ。