東京都、シニア就業応援プロジェクトを10月から開始
東京都は65歳以上の高齢者の就業促進のため「シニア就業応援プロジェクト」を10月から始める。職業教育を行う「東京セカンドキャリア塾」を来年3月まで週1、2回、筑波大学東京キャンパス(文京区)、ふどうやビル(立川市)で開講。受講料は無料。定員100人。
書類審査や面談で受講生を選ぶ。また都内企業に就業意欲のある高齢者を派遣する「東京キャリア・トライアル65」も実施。来年3月までの1、2カ月間派遣し、双方合意の上で正規雇用に切り替えられる。
(SankeiBiz 8月22日)
東京都のシニア就業応援プロジェクトは、東京セカンドキャリア塾、東京キャリア・トライアル65,シニアしごとEXPOの3事業から構成されている。
セカンドキャリア塾では、ICTやSNSの活用術、コミュニケーション術など新たな分野での就業に役立つノウハウを学べるのが特長だ。今まで蓄積してきた経験だけでなく、新たな知識やノウハウを習得することで、より就業機会を拡大することができる。加えて、こうして獲得した新たな能力は、シニアが実際に仕事に従事してみるトライアル65や合同就職面接会も実施されるシニアしごとEXPOで試すことによって、実際の就労に役立つ実践的な能力に高める機会もある。シニアの雇用拡大のための施策としては、フルコースに近い。
課題があるとすれば、今後の量の拡大だろう。量が持続的に拡大していくには、都が予算を増やすのではなく、むしろ、都の支援がなくても市場原理でシニアの雇用市場が成長していく環境を作る必要がある。シニア就業応援プロジェクトはその契機となるよう設計されなければならない。