働く人最多6698万人 女性、高齢者増

総務省が29日発表した労働力調査によると、2018年5月の就業者数は6698万人に達し、比較可能な1953年以降で最多となった。前年同月比で151万人の増加で、これまでのピークだった1997年6月の6679人を21年ぶりに更新した。
少子高齢化に伴い、働き手の中心となる15~64歳の生産年齢人口が減少している一方、景気の回復傾向を背景とした人手不足で、高齢者の再雇用や女性の就業が増えていることが要因。
就業者数は、会社員ら雇われている人に加え、雇い主や自営業の経営者なども含めた働く人の総数。
(東京新聞 6月29日)

少子高齢化の進行にも関わらず、就業者数は2012年前後をボトムとして、それ以降増加を続けている。すなわち、ここ数年は、生産年齢人口の減少よりも、労働市場への新たな参入者の増加の方が多いということだ。そして、新たな参入者の中核を成しているのは女性と高齢者だ。どちらも、雇用制度の改革が進んでおり、ここしばらくは増加傾向が続くだろう。特に、高齢者については、健康寿命の延びとともに、働くことのできる人の増加が見込める。

ただ、総人口が減少する中で、女性や高齢者の労働参加が永久に増え続けるとは考えにくい。おそらく、どこかで限界に達するだろう。今からそれに備えておく必要がある。とりわけ、多様な人材の能力を活かした生産性向上策を長期的な視点に立って推進することが重要だ。