大企業シニア、地方へ 丸紅・みずほなどお試し出向
大企業のシニア人材が出向や研修の形で地方の企業に赴任する動きが出てきた。パナソニック、旭化成など少なくとも約30社が社内制度を導入し、丸紅やみずほフィナンシャルグループも検討している。培った専門性を社外で生かしたいシニアと、経験豊富な大企業の人材を獲得したい地方企業の双方に潜在的なニーズがあるためだ。労使双方が合意すれば、出向期間後の転職も視野に入れる。「大企業から地方へ」が人材移動の一つの潮流になりそうだ。
(日本経済新聞 6月17日)
一昔前、大企業から地方の中小企業へ出向することは、左遷だと思われていた。しかし、65歳まで働くことが普通となった今日、地方への出向を自ら望む人は着実に増えている。
大企業の中にあって、65歳まで管理職でいられるのは社長ぐらいだ。その社長も65歳になる前に後進に道を譲ることも珍しくない。多くの管理職は50代のうちにライン管理職を離任し、専門職となる。そうであれば、その専門性を活かす場所を社外にも求めるのは自然な流れだ。
特に、地方には大都市にない魅力もある。若いときには大都市で稼いで資産を蓄積し、セカンドライフは不動産や物価の安い地方で働く。そんなライフスタイルが定着する日も遠くないだろう。