シニア待遇改善求める スバル労組・JR西

2018年の春季労使交渉ではシニア社員の待遇改善も主要なテーマとなる。SUBARU(スバル)の労組は60歳以上の再雇用者の賃上げで正社員と同額の3千円を要求。JR西日本の労組は再雇用者の年収が急減する現行制度の撤廃などを求める。人手不足対策や技能承継でシニアの活躍が求められるなか、その待遇改善が企業の競争力を左右する。
(日本経済新聞 3月12日)

スバルに限らず日産やトヨタも含めて、自動車メーカーはシニア社員の待遇改善に積極的だ。国内の自動車需要は逓減しているものの、製造拠点の海外移転は一段落し、国内事業所の更なる大幅縮小は考えにくい。となれば、若手の採用がままならない中、既に、スキルと経験を持っているシニアは貴重な戦力であり、失いたくない労働力だ。60歳を過ぎて給与がダウンするのを契機に退職されては困る。JR西日本のように、国内市場を事業の中核としている企業は、なおさらこの思いが強い。

企業は、政府から高齢者の雇用促進を求められたからではなく、市場原理に基づいて判断した結果、シニアの待遇改善に乗り出した。人材不足の解消など、経済環境が大きく変動しない限り、政治の動向とは無関係に、このトレンドは継続するだろう。