第2の人生はフリーで働く
定年退職後、再雇用など“会社勤め”の道を選ばず、個人事業主やフリーランスとして1人で仕事を始めるシニアが目立っている。現役時代の得意分野を生かし、企業に所属していてはできなかった自由な働き方をしている。「60歳での第一線からの引退は早すぎる」という思いと、フリーでも働ける仕組みが整ってきたことが背景にある。
(中略)
定年後、再雇用の形で会社に残るのではなく、自分が求める働き方を実現するため独立して働くシニアが増えている。これまでは、ハローワークに行っても現役時代の経験をそのまま生かせる仕事がなかなか見つからなかった。人材不足の中、最近は外部の人材を使う企業が増えている。顧問紹介サービスで経験者を確保するほか、ネットを通じて人材を募るクラウドソーシングの活用も広がる。
(日本経済新聞 11月6日)
特定分野の専門家の知識と経験を必要とする企業は多い。筆者も経済産業省所管の日本貿易振興機構が推進する新輸出大国コンソーシアムにおいて、電子商取引分野の専門家として企業からの相談に対応しているが、越境ECの市場拡大に伴い、専門家の知見を求める企業の相談は全国から殺到している。
そのようなとき、専門的な知識と経験を持ったシニアは、専門家需要の受け皿となり得る。たとえ、過去にコンサルタントとして仕事をした経験がなくとも、企業での実務経験で培われた知識やノウハウは十分に他社においても価値を持つ。
また、クラウドソーシングのように企業と専門家をマッチングする市場も広がってきた。特定の企業に就職するのではなく、複数の企業に専門的なサービスを提供する顧問やコンサルティングのようなサービスは、これからのシニアの活躍の場として、今後ますます拡大していくことだろう。