働く高齢者は770万人
敬老の日(18日)を前に総務省が17日発表した人口推計によると、9月15日時点で国内の90歳以上人口が初めて200万人を突破し、前年より14万人多い206万人となった。2016年に仕事に就いていた65歳以上の高齢者は、同省の労働力調査で過去最多の770万人に達し、1年間で38万人増えた。
(中略)
全就業者に占める65歳以上の人の割合は11.9%となり、高齢者が社会の中で一定の役割を果たしている実態が明らかになった。
就業している高齢者の39%に当たる301万人がパートなどの非正規雇用で、この人数は06年の2.5倍となった。総務省は「高齢者の勤労意欲が高いことに加え、受け入れる企業も増えている」と説明している。
国内の高齢者は前年より57万人多い3514万人となり、総人口に占める割合は27.7%。人数、割合ともに過去最高を更新した。
(毎日新聞 9月17日)
65歳以上の高齢者は、前年に比べて57万人増えたのに対して、就労していた高齢者は38万人増えた。高齢者の人口が増加しているだけでなく、その就業率も高くなっていることが、この数字からわかる。特に、65歳を超えても働く人の増加は顕著だ。
また、非正規雇用が多いのも高齢者の就業形態の特徴だ。ただ、39%という非正規雇用の割合は、高いとはいえ、50%を超えてはいない。正規雇用もそれなりの規模を維持している。足下では、パートの人手不足などの影響で、非正規雇用の増加が高齢者の就業者の増加を牽引する構図が続くと思われるが、それによって高齢者の就業が一般化すれば、その後の正規雇用の増加につながるだろう。若年層では、既に、非正規雇用から正規雇用への転換が進んでいる。高齢者にもその波が及んでくるのは時間の問題だ。