北陸は女性と高齢者の活躍「先進地域」
日銀金沢支店は十日、北陸三県の女性と高齢者の活躍推進に向けた取り組み状況をまとめた「ほくりくのさくらレポート」を公表した。支店は「女性や高齢者が活躍する先進地域」とし、さらなる取り組みの強化を期待した。
各省庁の関連資料をまとめた。例えば、二〇一五年の国勢調査で北陸の就業率が女性は51・6%、高齢者は24・9%と、いずれも全国九地区の中でトップだったことに、三世代同居比率や保育所の充実度が高く「恵まれた子育て環境が整っている」と指摘した。国勢調査での家庭の役割分担意識では「自分の家庭の理想は『夫が外で働き、妻が家を守る』こと」との回答割合が15年に富山で全国最低。福井、石川でも低かった。これについては「女性の就業に前向きな気質」だとした。
(中日新聞 7月11日)
女性の活躍と高齢者の活躍には、一定の相関関係がある。女性の社会進出が進んでいる地域では、往々にして、高齢者の就業率も高い。働くのは60歳までの男性だけ、という固定観念に縛られない社会は、女性にも高齢者にも多くの社会参加の機会を与えるダイバーシティ社会だ。
農業や漁業などの第一次産業では、年齢や性別に関係なく一家総出で働く家庭は多い。第一次産業の従事者が多かったかつての日本は、ある意味ダイバーシティ社会であったとも言える。北陸は、その伝統と文化を今なお残している地域だ。北陸のライフスタイルと取り組みを学び、それを21世紀型のダイバーシティ社会の構築につなげなければならない。