ファンケル、再雇用の年齢制限撤廃 後期高齢者も活用
ファンケルは65歳までとしていた再雇用の年齢制限を撤廃する。労働人口の減少をにらみシニア人材の活用を進める。後期高齢者の75歳以上も働ける仕組みは化粧品業界では先進的な取り組みという。
「アクティブシニア社員就業規則」として4月1日から導入する。同社の約3200人の社員のうち2800人が対象者となる。65歳までで退職していた社員を長く働けるようにする。現在、嘱託社員として働く社員は約10人。
1年ごとに雇用契約を更新する。健康であることや、日々の仕事ぶりが問題なければ契約を継続する。勤務時間は利用する社員と職場の間で相談して決める。シニア世代の技術や経験を生かしながら、若手への業務のノウハウ伝承も進める。
(日本経済新聞電子版 3月30日)
再雇用の年齢制限を上げるのではなく、年齢制限そのものを撤廃する企業も増えてきた。年齢が高くなれば、どのような働き方ができるかは、健康状態や意欲などによって個人差が大きくなる。年齢で一律に退職年齢を決めるより、個々の社員の状況に応じて決める方が合理的だ。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が10日発表した推計によれば、2065年には日本の人口は8,808万人となり、そのうち15~64歳の生産年齢人口は4,529万人になると予想されている。これは、2015年に比べて人口で約3割減、生産年齢人口で約4割減少することを意味する。生産年齢の定義を64歳まででなく、さらに高齢な人々を含めることができよう、高齢者の就労機会を拡大しなければ、日本の成長は維持できない。