宇部でシニアの社会参加促す「ちょこ活」
宇部市が現在、高齢者の社会参加を促す「ちょこっと活動・就労・活躍事業」(通称、ちょこ活)を行っている。
時間を自由に使え、働く意欲のある高齢者の社会参加を促すことを目的に昨年10月から始まった同事業。週1~2回程度、1回1~2時間程度で「ちょこっと」活躍したい高齢者と、活動・就労の場を「ちょこっと」提供できる企業などを募集してマッチングを図る。
募集開始後、66歳~75歳の男女6人が登録。宇部市健康福祉部高齢者総合支援課・課長補佐の阿座上京二さんは「輝かしい経歴を持つ登録者も集まり、想定以上の熱意に驚いている」と話す。
対象の高齢者はおおむね65歳以上で、これまで培った技術や知識を生かしながら働く意欲がある市内在住か半年以内に同市へ移住予定の人。宇部市在住の65歳以上は現在約5万2000人で、人口の約3割を占める。
(山口宇部経済新聞 1月14日)
高齢者が望む社会参加の形態は様々だ。フルタイムで働くことよりも短時間の勤務を望む人もいれば、収入よりも社会貢献を重視する人もいる。一方、求人側にも「ちょこっと」だけ手伝って欲しいことがある。宇部市の「ちょこ活」はこうした両者のニーズをマッチングさせるために、高齢者が参加しやすい場を提供している。
こうしたマッチングの場を今後拡大していくには、対象を高齢者以外にも広げることも効果的だ。「ちょこっと」仕事をできる人は高齢者に限らない。家事の合間に仕事をしたいと思う主婦もいれば、仕事はあるが副業もしたいと思っている人もいる。登録対象者がこうした層にも広がれば、このマッチングの場が提供するノウハウや技術も拡大し、それを期待して求人を出す企業も増えるだろう。高齢者が高齢であることを意識しなくても仕事を見つける場となることが「ちょこ活」のゴールなのかもしれない。