65歳以降の就業は、自力での求職活動が重要―労働政策研究・研修機構
独立行政法人 労働政策研究・研修機構では「労働政策研究報告書No.186 労働力不足時代における高年齢者雇用」の研究報告を発表した。
報告書は、全7章で構成されているが、第3章「60代後半以降の雇用・就業と転職」では、以下の事実が明らかとなった。1.男性に限り、高年齢期は中年期に比べて変化の激しい時期であり、65歳以降で就業している人は、何らかの転職を経験している場合が多い。その際、正規雇用から短時間就業(パート)を中心とした多様な雇用形態への変化、大企業から中小企業へといったより規模の小さな企業への転職、サービスの仕事など従来と異なる職業への転換、といった変化が生じることが多いことがわかった。
2.転職に際しては、元の勤務先からの出向・転籍やあっせんによることもあるが、65歳以降の就業につながるものとしては、自力での求職活動が重要となっている。その際、ハローワークの役割が大きいが、一方で、雇用形態や求められる仕事・役割に応じて、高年齢期の転職において多様なマッチング・ルートが活用されている。
(ケアマネジメント・オンライン 12月6日)
65歳以降も同じ会社で働き続けることができる会社は増加傾向にはあるが、今なお、65歳以降で就業している人には転職している人が多いもの事実だ。転職の仕方も50代では、勤務先のあっせんによるものが多いが、その第2の職場を退職した後は、職場の紹介よりも自力で職を探すことが少なくない。
65歳以降も同じ会社に勤める方が良いのか、前職と全く異なる世界で仕事をするのが良いのかは、一概には決められない。それは、人それぞれの人生観に依存する。重要なことは、多様なマッチング・ルートが社会的に整備されていることだ。ハローワークを始めとする公的機関や民間企業が有機的に連携し、マッチング・ルートのさらなる多様性の拡大につながることを期待したい。