安倍首相 65歳超えても働ける制度の検討を指示
少子高齢化で労働力人口の減少が見込まれる中、安倍総理大臣は、「人づくり革命」の具体策を議論する構想会議で、高齢者に働く場を準備することは国家的課題だとして、本人が希望すれば65歳を超えても働き続けられる制度の検討を関係閣僚に指示しました。
この中で安倍総理大臣は「意欲ある高齢者に働く場を準備することは、人口減少の中で潜在成長力を引き上げるためにも、官民挙げて取り組まなければならない国家的課題だ。65歳以上を一律に『高齢者』と見るのは現実的ではない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、年功序列の一律の処遇ではなく、成果を重視する報酬体系を構築することなどで高齢者の雇用は広がっていくと指摘し、本人が希望すれば65歳を超えても働き続けられる制度の検討を、加藤厚生労働大臣らに指示しました。
(NHK 5月16日)
人づくり革命を議論する政府の人生100年時代構想会議では、65歳以上を一律に高齢者として報酬を低くしていることが、65歳以上の人の就労意欲を減退させている原因だとして問題になっている。安倍首相の「年功序列の一律の処遇ではなく、成果を重視する報酬体系を構築することなどで高齢者の雇用は広がっていく」という指摘は、その議論の流れに沿った発言だ。
確かに、65歳を越えても成果を出すことのできる人に、その成果に見合った報酬を提供すれば、就労意欲は増すだろう。「本人が希望すれば65歳を越えても働き続けられる制度」も重要だが、65歳を越えても本人が働き続けたいと希望したくなるような制度は、もっと重要だ。政府の政策として検討するならば、企業の枠を越えて、高齢者の能力を活かし、その成果に見合った報酬を与える社会的な制度を設計するべきだ。