非正規・シニアにも年金・退職金 人材確保へ
企業が年金・退職金制度の運営をより柔軟にしている。長らく正社員向けが中心だったのを、パート、アルバイトといった非正規社員やシニアに対象を拡大する動きが相次いでいる。根底にあるのが人手不足だ。福利厚生の拡充で職場の魅力を高め、定着率を高める狙いがある。(日本経済新聞 7月15日)
人手不足で新規に人材を確保することは難しくなってきた。そうであれば、既存の人材の定着率を向上させて人員の減少を食い止めようとするのは、自然な流れだ。定着率を向上させる手段としては、年金・退職金制度の改革は一定の効果を上げることができる。長く働けば働くほど有利になる環境を作るには、現在の給与や一時金を増額するよりも、年金・退職金を長期勤続者に有利になるよう制度設計をする方が効果的だ。
シニアについては、従来、60歳で定年を迎え、退職金を受け取って、再雇用契約を結ぶというのが一般的だったが、今後は、再雇用条件の改善や定年延長などが流れの中で、年金・退職金も長く働くシニアに有利な方向へ変化していくだろう。