シニアと地域をマッチング 家事お任せ、NPOなど仲介
スマートフォンの操作方法から植木の剪定(せんてい)まで、ちょっとした家事なら何でもお任せを――。日常の困りごとを解消してもらおうと、シニア世代が地域住民を支援する取り組みが広がっている。双方を結びつけるのは、ボランティア団体や自治体。シニアが持つ豊富な経験を地域のサポートにつなげる狙いだ。
(日本経済新聞 6月10日)
植木の剪定などの作業は、従来からシルバー人材センターでも斡旋している。ただ、シルバー人材センターでは、ほとんど無償に近い活動までは紹介していない。一方、NPOや自治体は、その活動範囲を柔軟に設定できるため、幅広い業務を多様な労働条件で仲介することができる。
この記事に紹介された東京都杉並区では、街の清掃や花壇の手入れなど地域貢献活動を斡旋している。これらの活動に参加すると、報酬は支払われないが、5ポインが配布され、25ポイントたまれば千円分の商品券と交換できる。就労というより、ボランティア活動だが、高齢者が社会と関わりを持ち、社会に貢献する機会を広げるには、重要な領域の仕事だ。高齢者にとっても、ある程度報酬が得られる仕事から無償のボランティア活動に近い業務まで、ワンストップで紹介してもらうのは効率が良い。今後のNPOや自治体の自由な発想が期待される。