「75歳まで働いて」5歳未満の子供が77人しかいない秋田・藤里町の現実
秋田県は日本で初めて人口の半数以上が50歳を超えた「超高齢社会」だ。ロンドンの経済学者はその事実に驚き、世界で9つの「極限経済」のひとつに取り上げている。そのなかでも藤里町は人口の半数以上が65歳以上という高齢化の最前線にある。
(中略)
データには問題の大きさがはっきりと表れている。藤里町の人口構成は明らかに高齢者に偏っている。90歳超は数百人いるのに、5歳未満の子どもは77人しかいないのだ。
(プレジデントオンライン 10月11日)
少子高齢化は日本全体の問題だが、地方の町村では過疎化が進み、自治体の維持も難しいところも増えてきた。秋田県藤里町では、やまいもの皮むき事業を誘致するなど75歳まで働ける職場作りをしたり、幼稚園を整備し、空き家を若い夫婦が安く買ったり、家賃なしで住んだりできるようにして子育て世代を支援したりと少子高齢化対策を進めている。最近では、在宅勤務ができるよう、町のWi-Fi接続の拡充にも取り組んでいる。
藤里町のこれらの施策は、一定の成果を上げており、他の市町村の参考になる事例だ。ただ、これによって、藤里町の人口が増加に転じたわけではない。より大きな成果を得て、少子高齢化に歯止めをかけるには、子育て世代をさらに増やすための雇用の拡大や子育て環境の整備が必要だ。そのためにも、地域の高齢者が、少しでも長く働いて、地域経済を支える仕組みも重要になる。少子化対策と高齢化対策は相互に支え合わなければならない。