70歳まで就労可能な企業、31.9%に上昇

厚生労働省が20日発表した2024年の高年齢者雇用状況等報告によると、70歳まで働ける措置を導入している企業の割合は31.9%と前年比2.2ポイント上がった。この措置が努力義務となった21年以降30%を超えるのは初めて。企業の人手不足が深刻になるなかで高齢者の雇用が広がっている。
従業員数21人以上の企業を対象に、6月1日時点の状況を調べた。実施した措置で最も多かったのは、定年を迎えた社員を引き続き雇用する「継続雇用制度」で25.6%、定年制の廃止が3.9%、定年の引き上げが2.4%だった。
(日本経済新聞 12月20日)

少しずつではあるが、70歳まで就労可能な企業の割合は増加している。実施した措置としては、導入のハードルが低い継続雇用制度の年齢延長が多いが、定年制の廃止企業を含む65歳以上定年企業は1.8ポイント増加の32.6%とわずかながら増えた。また、70 歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業の割合は、中小企業が大企業より多い傾向が続いているものの、中小企業の2.1ポイント増加に対して、大企業では2.7ポイント増加と、大企業の増加率が上回っている。

この報告では、大企業がシニア活用に本腰を入れ始めている傾向が現れており、この流れが定着すれば、日本経済全体への波及効果は大きい。ただ、大企業から中小企業へのシニア人材の転職が減る可能性もあり、中小企業としては、人材獲得戦略の見直しも考慮しておく必要がある。