70歳就業確保、岩手県内企業全国で2番目に高い水準

70歳まで働く機会を確保することが企業の努力義務となっているなか、岩手県内で対応している企業の割合は42.2%と全国で2番目に高い水準となっています。岩手労働局は従業員が21人以上の2482社を対象に2024年6月1日時点の高齢者の雇用状況を調査しました。
(中略)
業種別にみると最も高いのは測量会社などの「学術研究、専門・技術サービス業」で55.3%、次いで建設業の51.8%となりました。
(岩手めんこいテレビ 1月28日)

岩手県は、高齢化が進んだ市町村が多く若年労働力が不足している他、建設業界のような全国的にも人手不足に陥っている業界の企業が多い。測量会社はその典型的な例だ。岩手県の測量会社は、岩手、宮城、青森など太平洋側の地域を営業エリアとする企業が多く、東日本大震災の復興事業で土木建設の需要が大きい中、業績は堅調に推移している。一方、測量士の資格保有者の増員は難しい。元々、測量士試験は合格率が10%前後と比較的難しく、新規合格者は数百人程度だ。加えて、試験会場も限られており、東北地方では宮城県と秋田県に試験会場があるだけで、岩手県にはない。岩手在住の測量士を新規に採用するのは至難の業になっている。資格やノウハウを持っている既存の社員に、年齢に関係なく、長く働ける環境を整備するのは、企業として合理的な判断だ。

同様に、他の業界でも、有資格者や特別な業務ノウハウを持った従業員を中心に、高齢になっても雇用を継続するケースが増えている。逆に言えば、業務に必要不可欠な能力を持った人材への需要は高い。高齢者がリスキリングなどによって、新たな能力の開発を行うなら、こうした需要の大きな業務を狙うのも良いだろう。