オランダの安全設計自転車がもたらす高齢者の“移動革命”

2025年問題をご存じだろうか。2025年は、日本に約800万人いる団塊の世代が全員75歳以上となり、国民の5人に1人が後期高齢者となる。
(中略)
自転車大国オランダの、Van Raam社製「スペシャルニーズ電動自転車」はどうだろうか。これは、高齢者や障害のある人々が乗れるよう、安全性や快適さに配慮して設計された自転車である。例えば、重心が低く安定感のある三輪設計や、背もたれ付きの座席が備わっており、転倒のリスクを大幅に軽減。また、車いすのまま乗り込めるタイプや、人力車型で会話を楽しみながら移動できるタイプなど、用途や身体的特徴に応じた多様なモデルが展開されている。
(IDEAS FOR GOOD 1月20日)

日本でも電動車椅子を利用する高齢者や障害者は増えている。4輪で安定しており、乗り心地も快適だ。ただ、速度は歩くのと同じぐらいで機動力は乗り物というほどでもない。もう少し活動できる人は電動自転車に乗るだろう。一方、自転車では不安定で危険を感じるが、車椅子では行動が制約され過ぎると思う人には、この記事が紹介しているオランダ製の「スペシャルニーズ電動自転車」が向いている。3輪で安定しているし、座席も快適、スピードも走るよりは速い。また、それ以外にも、人力車型など用途に合わせて様々なモデルがある。

こうした高齢者の移動を技術によってサポートする取り組みは、日常生活だけでなく、職場でも重要だ。高齢者の身体能力は人それぞれ異なっており、各人に合わせるには、一通りの対策だけでは不十分だ。電動車椅子と電動自転車の中間の乗り物が必要なように、職場の高齢者にも、スペシャルニーズに対応した多様な選択肢を用意できるような技術と体制が望まれる。