シニア就業「年齢」の壁、65歳以上も“即戦力”に

シニアの約2割が希望する仕事に就けておらず、その理由として「年齢」が挙げられることが、調査によって明らかになった。人手不足ながらも、シニア採用に積極的な企業は2割程度となっており、専門家は、年齢に関係なく働けるエイジフリー社会の実現が必要だと指摘する。
(FNNプライムオンライン 7月8日)

このニュースの趣旨は、多くの企業は採用に際して高齢者を敬遠する傾向があるため、シニアの中に希望する仕事に就くことができない人が一定数存在し、そのために社会全体で経済損失が生じているという点だ。確かに、能力も意欲もあるシニアが雇用機会を得られないのは、国民経済全体の損失ではある。ただ、シニアの約2割が希望する仕事に就けていないということは、逆に言えば、約8割は希望する仕事に就けていることになる。これはかなり高い割合と言っていい。大多数のシニアは、満足ではないかもしれないが、それなりに希望に合った仕事を見つけることができている。
希望する仕事に就けていないシニアの割合をさらに下げるためには、企業側が年齢に関係なく働くことのできる環境を整えることが重要だが、加えて、シニアの側も自らの能力を開発し、できる仕事の幅を広げて、社会のニーズに広く応えられるよう努力することが大切だ。企業もシニアも共に許容範囲を広げれば、それだけ、両者のマッチングが成功する割合は高くなる。