明治安田生命、定年70歳へ

企業にとって人材の確保が課題となる中、明治安田生命は、2027年度から定年を今の65歳から70歳に延長する方針で、経験やスキルがあるシニア人材を重視する動きがさらに広がるか注目されます。明治安田生命は、2027年度から営業職員以外の定年を今の65歳から70歳に延長することで労働組合側との協議を進めるということです。会社は2019年度に定年を60歳から65歳に延長し、2021年度からは定年後も契約社員として70歳まで働ける再雇用制度を導入しました。ただ、労働人口の減少や転職市場の活性化が進んでいることを踏まえ、若手の登用を積極的に進めるとともに定年をさらに延長することで人材の確保を進めるねらいです。
(NHK 7月1日)

定年を70歳まで延長するのは、大手金融機関としては珍しい。明治安田生命が定年を65歳に延長したのは2019年度。そのとき60歳だった従業員は、2024年度で65歳の定年を迎える。65歳定年の妥当性を評価するには、2024年は良い年だ。65歳定年を迎えた人の仕事ぶりを評価すれば、その後も再雇用ではなく正社員として処遇した方が、会社にとっても利益があるという判断に至ったのだろう。
ただ、生命保険の個人向け営業チャネルは、訪問営業からネットや代理店経由にシフトしてきており、伝統的な営業組織には人員の余剰感がある。今後、営業体制の見直しと人員の適正化が進展すれば、明治安田生命でも営業職を含めた70歳への定年延長が実施されることになりそうだ。