「レジは座って」接客改革、人材確保へ身体的負担減
レジの従業員は立って接客するものだ――。長年定着していた固定観念を覆し、レジに作業用のイスを設置する取り組みが広がっている。首都圏・北関東で店舗を展開するベルクは今春までに3店舗で導入。人材サービス大手のマイナビもトレンド作りの先頭に立つ。現場の人手不足でシニアや女性など多様な人材が働きやすい環境づくりが不可欠になっている。
(日本経済新聞 5月16日)
海外では小売店のレジの従業員は座っていることが多い。座っている方が楽だし、そもそも、立っている必要性もあまりない。日本の小売店で立って接客しているのは、客を立たせて店員が座っているのは失礼だという思いからなのかもしれないが、定かではない。小売店以外、たとえば、銀行の窓口では、客が立っていても行員は座って対応している。同じ銀行の店舗内でも、ローデスクでは、客も行員も座って話をする。ローデスクでの話は長くなるし、銀行側も客に商品の説明などを詳しくしたいので、客を座らせるのだろう。銀行窓口の接客方法の方が小売店のレジの接客方法より合理的なようだ。
小売店のレジが座ってできるようになると、レジ担当として働くことのできる人が増える。足の不自由な障害者や高齢者にとっては、雇用機会の拡大となって朗報だ。レジ以外にも、長年定着していた固定観念によって、業務の仕方に制約がある分野は少なくない。誰でも働ける職場作りのために、ゼロベースで業務のあり方を考え直す必要がある。