「シニア・インターン」横浜のIT企業が導入
インターンシップの対象といえば、働いた経験の少ない若者。ところが、50~60代の転職希望者を対象に「シニア・インターン」を始めた企業がある。
(中略)
「年齢より経験」。平日夜、横浜市西区のIT関連会社「システムアイ」が開いたシニア・インターンの説明会。採用担当の岩佐猛さんが集まった60歳前後の男性たちに呼びかけた。
(中略)
従業員300人ほどの同社は2020年から50代以上を積極的に採用し、46人を雇用。うち11人が60歳以上だ。
(東京新聞 5月2日)
50歳過ぎの転職が第二の人生なら、第一の人生の始まりのときと同様に、インターンなど企業や業界を知る機会をできるだけ得た上で、人生の選択をする方が良い。インターンは、求職しているシニアにとっても、求人している企業にとっても相手のことを良く知ることのできる機会となり、ミスマッチを未然に防ぐ効果がある。
IT業界では、プログラマーは30代で定年を迎えると言われてきた。30代になると管理職になるか、プログラマー以外の専門職となり、プログラミングの現場から離れる。大企業のシステム・エンジニアリング部門では、プログラミングは新人研修のときだけで、職場に配属されるとプログラミングを担当する外注先に発注書を書くのが仕事というシステムエンジニアも多い。それでも、長年、IT業界に身を置くと、様々な経験とノウハウを蓄積するものだ。技術革新によって、個々の技術的な知識は陳腐化しても、技術を革新させる経験とノウハウには汎用性がある。有能な経営者が、業界を変えて転職しても、優れた経営能力を発揮し、良いパフォーマンスをあげるのと同じだ。シニア・インターンは、そうしたシニアの経験とノウハウが、活かせるかどうかを確認する格好の機会を提供する。