元気なシニア、介護助手に 専門職の負担軽く

介護現場の人材不足が深刻化する中、介護施設で「介護助手」などとして働く元気なシニアが注目されている。介護の資格や経験がなくてもできる食事の配膳や片付けといった補助的な業務を担う。介護福祉士ら専門職の負担軽減や離職防止につながるとして期待されている。
(中略)
施設では当時、専門職が本来のケア以外の業務に追われて疲弊していた。専門職が抱えていた業務を細分化。介護助手はそれぞれの体力などに合わせ、シーツ交換や物品補充、利用者の話し相手といった周辺の業務を担う。食事やトイレの介助など身体介護はしない。オレンジ色のエプロンを着け、ひと目で分かるようにしている。
(東京新聞 4月12日)

介護施設で介護助手を務めるシニアが増えている。三重県老人保健施設協会(老健協)が2015年度に行った事業がきっかけとされるが、今や、全国的な広がりを見せている。介護助手が介護福祉士などの専門職と効率的に業務を分担するには、業務の細分化が欠かせない。先行した三重県における業務細分化の経験とノウハウを全国の老健協会員施設で共有することにより、介護助手の導入が全国に広がった。
業務細分化のノウハウを普及させるには、マニュアルなどの文書での情報伝達だけでなく、業務支援システムにノウハウを組み込むことも効果的だ。業務支援のITシステムに、業務の細分化方法の選択肢を提示し、細分化した業務への担当者の割当を最適化する機能が装備されていれば、シニア介護助手の導入がより容易になる。同様に、このようなITシステムによる業務細分化支援があれば、介護以外の業界におけるシニアの活用にも役立つだろう。