人生100年時代へ「60歳定年は早すぎる」、健康長寿の秘訣
戦後から現代に至る看護の歴史を担ってきた日本赤十字看護大学名誉教授で、92歳の現役看護師でもある川嶋みどりさんが、健康長寿を説いた本『長生きは小さな習慣のつみ重ね―92歳、現役看護師の治る力』(幻冬舎)を刊行した。
(中略)
本書では、生涯現役を貫く川嶋さんが自らの経験を交えながら健康長寿について論じている。食べる、働く(動く)、眠る、休養を取る、体を清潔にする…。「ストレスにならない範囲で、当たり前の小さな習慣を無理なく積み重ねることが大切」と語る。
(産経新聞 3月17日)
千里の道も一歩からと言う。老子の「千里の行も足下より始まる」という言葉が由来とされる。大きな目標であってもそれを達成するためには、まず第一歩を踏み出さなければ始まらないし、その後も足下の一歩一歩の積み重ねが大事だ。このとき、一歩の歩幅が大き過ぎると、一歩踏み出すたびにストレスも積み重なって、途中で息切れを起こし、ゴールに辿り着くのが難しくなる。「ストレスにならない範囲で、当たり前の小さな習慣を無理なく」というのは、習慣を継続して健康を保つ上で重要な指摘だ。
仕事でも大きな目標を小さなタスクにブレークダウンして、ひとつひとつのタスクを無理なく達成していくことを積み重ねることが大切になる。特に、高齢になると、今までできていたことができなくなることもあり、よりストレスを感じやすくなる。長く健康に働き続けるには、一歩の歩幅に注意しながら、無理なく歩き続けることが重要だ。