シニア地方移住の成功ポイント、体験ツアーで地元住民とふれあいを

地方移住への関心が高まっている。健康寿命の延伸とともにシニア世代の希望者も年々増えており、雄大な自然の中で第二の人生を謳歌(おうか)する人も。人手不足に悩む自治体側も移住希望者のニーズに合わせた体験ツアーを設けたりするなど呼び込みに躍起だ。ただ、思うようになじめず移住先で孤立するケースもあり、慎重な検討が必要だ。
(産経新聞 10月15日)

地方移住は、子育て世代だけでなく、シニア世代でも増えてきた。都市部で退職を迎えた後、老後を豊かな自然の中で過ごすことに魅力を感じる人は多い。受け入れる地方自治体もシニア向けの支援事業を展開し、移住者の増加を目指してきた。人口を増やしたい自治体と地方暮らしを体験したいシニアの利害が一致し、今後も、シニアの地方移住は続きそうだ。

ただ、地方に生活の拠点を移して永住するということは、別荘で暮らすのとは違うということにも留意する必要がある。別荘に一時的に滞在する場合は、そこで接する地元の住民は、自分にサービスを提供してくれる人々だ。しかし、地方に移住するということは、自分が住民になるということであり、自分が暮らす地域社会に貢献する義務も発生するということでもある。地域社会の一員として、他の住民と協力して何ができるか、考えて見る必要がある。